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2016年2月15日月曜日

インド映画入門3選

「ニューヨークの中のインドの話 〜映画館編〜」の続き。

インド映画というと、歌って踊るマハラジャ、的なミュージカルを想像しがちで、実際大半がそうなんだけども、最近は歌も踊りもない静かな(?)インド映画も続々登場中。

その中でも「これはハリウッド映画以上にエキサイティングだ!!」と私が思ったインド映画3本をここで紹介。

最後に、ニューヨーク舞台のインド映画も。


『女神は二度微笑む』

Kahaani(邦題『女神は二度微笑む』)

まずは2012年公開の『女神は二度微笑む』

これは文句なしに面白い作品! 歌や踊りの一切ない、本格サスペンスムービー。

普通にTSUTAYAの新作コーナーに並んでたジャケを見て、面白そうな感じだったので借りたら、当たりだった。

日本版のキャッチコピーを引用すると
「ハリウッドも認めた!インド初、極上のサスペンスエンターテイメント」
ストーリーは、ロンドンで暮らしていた出産間近の主人公の女性が、インドのコルカタへ出張中に謎の失踪をとげた夫を探しに、一人コルカタへ旅立つところから始まる。

知り合いのいないコルカタで一人懸命に夫を探す、この美しい主人公の女性の行動に感情移入していくうちに、どんどん謎は深まり、観ている人は予測できない展開にぐいぐい惹き込まれてしまう。


実際、この作品はインドのアカデミー賞といわれるインド・フィルムフェアで、主演女優賞、監督賞ほか5部門を受賞したようで、知り合いのインド人たちに聞いても「ナイスムービー!」という言葉が必ず返ってくる。

そして私が「歌と踊りのないインド映画を観たのはこの作品が初めてだったわ〜」と言うと、
「確かにね〜!(笑)」とケラケラした笑いが返ってくるやり取りも、もはや鉄板ネタと化している…。

さらに、映像もドキッとするほど綺麗で、インド好きにはたまらないエキゾチックな美しいコルカタの風景が観れるのもこの作品の良さの一つ。



『きっと、うまくいく』

3 idiots(邦題『きっと、うまくいく』)

こちらは2009年の作品で、最近では一番有名なインド映画といってもいいんじゃないか。
ニューヨークのインド人に「おすすめのインド映画教えて!」と言うとまずこの作品が挙がってくる、定番中の定番。

歌も踊りもあるのにストーリーもきちんとしていて、インド映画ならではの面白さが詰まった作品。

映画の中で「きっとうまくいく〜」というフレーズが何度も繰り返されるので、観終わったあともそのフレーズのおかげで、この映画のことが忘れられなくなる!

舞台は、インドでも有数のエリートが集まるエンジニアの為の超難関大学のキャンパス。

この写真の真ん中にいるのが、天才型で奇想天外な行動と作品で校内をにぎわす人気者のランチョー。左が本当は写真家になるのが夢なのに親の期待に応えてエンジニアの勉強をしているファラン。右が貧しい家庭を助けるためエンジニアを目指す心配性のラージュー。

このお騒がせ3人が繰り広げるコメディタッチのキャンパスストーリーの中で、歌や踊りもありつつ現代のインドの学生生活や恋愛、社会の問題などが組み込まれ、最近のインド事情も分かってしまうという、インド映画入門としてはまさにおすすめの作品。

スティーブン・スピルバーグが「3回観るほど大好きな作品」と豪語しているのは有名な話。

私はHuluでこの作品を観たので、もしかしたら今でも観ることができるかも!



Loins of Punjab Presents

Loins of Punjab Presents

2007年の作品で、インドとアメリカの合作。

舞台はニュージャージーとニューヨークで、そこに住むインド系アメリカ人たちがとある歌のパフォーマンスコンテストに出場するというあらすじ。

簡単に言うと、『glee』や『ピッチ・パーフェクト』のような、勝ち抜き歌合戦によるエンターテイメント

ただし、舞台がアメリカなので、ニュージャージーやニューヨークで暮らすインド系の人達の独特さや、親がインド人だけども自分はアメリカ育ちでヒンディー語が話せない女性のインディアンコミュニティー内でのコンプレックスなど、アメリカに住むインド系の人達のあるあるがたくさん出てくるのが興味深かった。

歌もあるけど、他のインド映画のように「突然ですがここでミュージカルです!」といった唐突さはないので、私たちにとっては自然で観やすいかと。

しかも、最後の歌のオチには感動さえした…。

Netflixで今なら観れるので、ニューヨークのインド人を知りたい人にもぜひ。



ニューヨーク舞台のインド映画



ニューヨークとインド人を語るに欠かせない作品がもう一つ。
それが『マダム・イン・ニューヨーク』

家族の中で唯一英語が喋れないインド人女性が、一心発起してニューヨークに語学留学。
ニューヨークで様々な人と触れ合ううちに自分自身に女性としての誇りと変化が訪れる…というストーリー。

これ、実は私はまだ観れていない作品…。
Netflixになくって、アメリカで観るにはもはや知り合いのインド人に映画がタダで観れる謎のYoutubeみたいなサイトを教えてもらうしか、これを観る方法は残されていないのか…。


最近NetflixやHuluに頼りすぎて忘れていたけど、TSUTAYAがないアメリカはこういう時不便だ…。

2016年2月14日日曜日

ニューヨークの中のインドの話 〜映画館編〜

ニューヨークでインド人エリートから教わった新しいインドの話」が意外と書いてて楽しかったので、またインドの話。

今回は、映画館編。

インド系の人と話してて必ず思うこと。

インド人、映画好きだよな〜!

ってこと。

 現在ニューヨークで上映中のインド映画 "fitoor"


ニューヨーク在住のインド人、インド系アメリカ人、インド在住のインド人と会話をする中で、絶対にはずせないのが映画の話題。

ただし、インド系アメリカ人やアメリカ在住歴が長い20代後半のインテリインド人がアメリカ映画や日本映画にも詳しいのに対し、生まれた時からインド映画に囲まれて育った20代前半のとあるインド人の若者たちは、映画といえば当たり前のようにインド映画の話しかしない。

そして、ニューヨークにいてもまるでインド映画以外に映画など存在しないかのように、インド映画を観に、映画館に行く。

自宅でも、謎のインド版YouTube兼Netflixみたいなサイトで、タダでインド映画を見る。

そう、あの歌って踊る陽気なインド映画…通称ボリウッド

そして、最近インド映画にハマりつつある私がにわかに信じられなかったこと。

それは...


ニューヨークにはボリウッド専門映画館がある

ということ。
Bombay Theatre

その名もBombay Theatre(ボンベイ・シアター)。

いやいや、日本でもピンク映画専門の映画館ならあるけど、アメリカ国内でもハリウッド映画専門の映画館なんて今や存在しないだろうし...インド映画専門って!

場所はクイーンズのフラッシング。
インド系や中国系などアジア系の人達で熱気ムンムンの地区ですな。

インドからこっちにやって来た人が、インド映画観たすぎて衝動的に作ったっていうのが容易に想像できてちょっと楽しい…。


マンハッタンでインド映画が観れる映画館




ボンベイ・シアター以外でも、ニューヨークでインド映画を観れる映画館はあるようで。

とあるインド人の若者が「インド映画は今はマンハッタンでも観れるんだぜ!」と超自慢してきたので、紹介しないわけにはいかない。

ミッドタウン・ウエストにある、AMC Empire 25The Paris Theatreが人気の模様。

随時やっているわけではないみたいだけど、定期的に上映しているよう。

日本で2015年に上映されたインド映画が9本、多くがミニシアターでしかやっていないということを考えれば、普通にシネコンでハリウッド映画と同じようにインド映画が観れる環境はすごいなあ〜と。

実際、ニューヨークと近隣のニューアーク、ジャージーシティに住むインド人の数は2013年で31万5千人で、アメリカのどの都市よりもニューヨークに集中しているよう。(Migration Policy Instituteより参照)

ニューヨークでのインド映画人気は当然かもなあ〜。


ボリウッドの凄さ



最後に、インド映画(ボリウッド)の基本情報を。

インド最大の都市ボンベイ(ムンバイ)で作られるインド映画(ヒンディー語と英語のミックス)だからボリウッド。

インドの一大産業に成長したインド映画は、最近そう呼ばれることが多い。

その規模をアメリカ映画のハリウッドと比較すると、ハリウッドで映画が年間500本作られるのに対し、ボリウッドは1041本。
ボリウッド映画のチケットは、2011年、全世界で35億枚売れ、その数はハリウッド映画より90万枚以上多い。

数がすごいのは分かったけど、日本で見れるインド映画はアメリカ、ヨーロッパ、韓国のものより限られているし、インド映画がどれだけすごいのか数だけではつかみにくい…。

結局は、「インド映画の質ってどうなの?」という問題かと。

なので、次回は私が観た中で「これはハリウッド映画を超えるエンターテイメントだ!」と個人的に思ったインド映画を紹介したいと思う。

インド映画って、初めて観る時はそのちょっとベタなコメディセンス・謎のダンスシーンに「(笑)」って感じで観ているのに、なんか次第に惹き込まれてしまう魅力があって。

正直インド映画を観たあとでは、アメリカのギャング映画でさえ大人しく感じるほど、インド映画の不思議な「過剰」感はちょっとした麻薬。

私もそろそろボンベイ・シアターに足を踏み入れる時がやって来たかな…。

2015年2月22日日曜日

春夏はボヘミアンです/『あの頃ペニーレインと』


春夏ファッションのキーワードは、70年代・フリンジ・ボヘミアンらしい
去年の一代トレンドだった90年代は一旦落ち着くのかな
でも厚底とか、スポーツとか、全体的にシャビーでゆるい印象は続く

70年代ファッションといえば
私の中でのお手本、永遠のマストは
キャメロン・クロウの実体験を脚本化した映画
『あの頃ペニーレインと』を差し置いて他ないでしょう



『あの頃ペニーレインと "Almost Famous"』2000年

17歳の誕生日にこのDVDを買ってもらったのを覚えている
もちろんサントラも買った

映画の中のファッションが相当にかわいいのはともかく
15歳の少年の、ロックと初恋を通じたよくできた成長物語(実話)であるのに加え
音楽、キャストも最高だった

イエス、ビーチボーイズ、レッド・チェッペリン、エルトン・ジョン、デヴィッド・ボウイ・・・等など

映画を観た人なら、どの曲も、ストーリーの"あの"名場面を思い出す為の導線にしかすぎない

主人公の高校生ウィリアムの音楽ジャーナリストとしての道を後押しする
地元のロック専門ラジオ局のDJに、名優フィリップ・シーモア・ホフマン
弟の成長を影で見守る奔放な姉に
後に「500日のサマー」でブレイクのズーイー・デシャネル

どれもこれも当時の若者がそうだったように、
ロックという音楽にイカれたぶっ飛んでるキャラクターが本当に魅力的














70年代にファーコートとデニムははずせない
初々しい主人公ウィリアム少年の
裾広がりデニムに斜めがけカバンっていうのもいかにも70年代でほっこりする

何はともあれ、今年はデニム、デニム、デニム





















AG Jeansのアレクサ・チャンラインが破壊的に可愛くて、私の今年の春は終わった


















2014年8月2日土曜日

Velvet Goldmine




”The life is the image."

どんなに表層的に見えても
人をエキサイトさせる優れたイメージを作れる人は
アーティストだと思う。

ジョナサン・リース・マイヤーズの美しさたるや!
Jonathan Rhys-Meyers is one of the sexiest man I've ever seen!
クィアな役が激ハマりで、独特の暗さのあるグリーンアイズに心持ってかれる

ユアン・マクレガーも好演!
明らかにカート・コバーンをモデルにしたロック歌手"カート”が
実はこの物語の中で一番愛すべきキャラクターだったりする
ドラックで一度落ちぶれても、音楽だけは離さず
人を愛することをやめなかったカート。

最後、"トーマス”になったブライアンの公演を
一人でこっそり観に行っているとこなんか泣ける。

スウィンギンロンドンの60's、70'sのスタイルも大好きだし
美しい衣装は観てて本当に気持ちが潤った。

まあ、これ観る直前に
アナザースカイで
ちょうどミッツ・マングローブのロンドン里帰り(ゲイタウン・ソーホー再来
観たあとだったから
余計に親和性が高まったというか。

やっぱり
ロンドン行かなきゃだわ。
London is calling me! 




2014年7月7日月曜日

『ふたりの5つの分かれ路』

5年ぶりか6年か7年か
にこの映画をみなおして
私の感情の襞はまだ退化してなかったことを確認。

フランソワ・オゾン監督の映画は他にも何本かみたけど
その中でも決して派手ではない
むしろ暗く地味な部類のこの映画の、
印象的な一場面、一場面を
私の賢くない記憶が覚えていたのはこの音楽のせいだと思う。


 Sparring Partner  -Paolo Conte

2013年8月25日日曜日

Pretty in Pink

多分観るのは学生の時以来
『Pretty in Pink』
ニューヨークからの帰り、飛行機の中で見つけ久々に鑑賞

1986年公開の学園青春ムービー
失業中の父親とバイトをしながら暮らすアンディが
裕福でアッパークラスのハンサムな男の子と恋をする
本当にシンプルなボーイ・ミーツ・ガールの物語だけど
人生捨てたもんじゃないって思える、大好きな映画
80'sのインディー音楽やカルチャーも存分に味わえる



お金はないけど、古着を縫い直したりセンスでカバーするお洒落な女の子アンディ
アンディの事が大好きなヘタレ文化系男子のダッキー
彼らとは全く違う階級やカルチャーに属しながら、
アンディに真剣に恋をしてしまうブレイン

こういう、異なる階級やカルチャーに属する2人が
周囲からの圧力や冷たい目に晒されることを分かっていながら恋に落ちてしまうっていう物語は、
アメリカ学園ムービーでは鉄板でもあるのですが
でも
いくら観ても、いいものはいいんですよね!

ブレインがアンディを誘うため、
アンディがバイトするインディ臭漂うレコード屋に
おそらく人生で初めて足を踏み入れる場面とか


逆にアンディが、
ブレインの友人の金持ち連中達のパーティーに
ブレインとのデートで嫌々連れてこられ、
案の定全く歓迎されないムードで嫌な思いをする場面とか


カルチャーのギャップと、
互いの周囲から「なんであいつと付き合うの!?」って風に頭がおかしいくらいに思われていて
2人の間には真剣な恋が育っているのに
周囲からは認められず、
結果それが引き金となって喧嘩別れしてしまうという・・・

うああピュアすぎる!

もう、30代手前になった私がこの映画を観ると
そんな周囲の友達の意見とか気にせず好きな者は好きな者とくっついたらいい!と思うのだけど
10代の子たちにとっての友達とかコミュニティのルールって絶対なわけで、
もうそこら辺がもどかしく、かつこの映画の泣けてしまうところですね


さらに、この映画のピュアさを盛り上げているのは、
言わずとも知れた、アンディの親友ダッキーの存在です


大好きなアンディがブレインに取られて、
嫉妬心からブレインに失礼な態度をとったり、
アンディにも反抗するような態度で
子供っぽさを見せていたダッキーが


映画の後半アンディがブレインから一方的にプロムには一緒に行けないと告げられた場面で
ブレインに余計な口出しをしてアンディの気持ちを傷つけた、ブレインの親友ステッフに突如猛烈に殴りかかるシーン


これぞ
“ジョックスに殴りかかるギーク”
この構図、オタクならいつ観てもスカッとする!!


このジョックス(裕福で容姿端麗、校内で圧倒的な支配力を持つ勝ち組)役を演じた
ジェームス・スペイダーもまさにはまり役
誰が観ても「こいつは・・・!」となる校内の王者としての貫禄とセックスアピール
一度見たら忘れられない顔、ってこういう人のことでしょう


そう、この映画は脇役も本当に素敵なんですよね
ちょっと情けないけど愛情溢れるアンディの父親ジャック
奇抜なレコード屋の女性オーナーでアンディの心の友イオナ


語り出したら止まらないけど
この映画が何でこんなに胸を打つかって、
誰になんと言われようが好きな気持ちは必ず人をハッピーにする、っていうポジティブなメッセージがあるのはもちろん、


映画にはない、映画のラストシーンのその後の2人がどうなったか・・・を想像すると
さらに、10代の彼らが真剣に恋に落ちてしまったピュアさが際立ってくるように思えるからなんですよ


あまりに私はこの映画の登場人物たちを好きすぎます


どれだけ語っても語りつくせない感はしますが
最後に、
アンディがプロムで着ていた手作りのドレスが余りに素敵なので
私が結婚式のゲストで着ていきたい服ナンバーワンになっています



チョーカーとそれにつながっている背中のレース部分
ちょっとオリエンタル、そしてエッジィだけどピンク
アンディの個性を丸ごと表現した、学園ムービーでもベストといえるプロムドレスなんではないでしょうか
私もこんな服マジで探しているんですが!

2013年1月4日金曜日

『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン』


『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』DVD鑑賞。
TSUTAYAの名作復刻シリーズ、感謝!

最初に言っておこう
この映画のニック・フロスト、またまた最高!

愛すべきこのキャラクター

だらしない、大人げない、にくめない!!!

この大バカやろう! :-))

警察官なのに普通に飲酒運転で帰ろうとするわ

村のバザーで父親(で署長)とおそろいのカウボーイの格好をして来るわ

中身は10代の映画オタク少年のまま
好奇心と食欲だけは失わず中年になった男、ダニー・バターマン

のんきでお菓子ばっかり食っててロクに働かないけど
人を疑わない素直さで、誰からも愛されるダニー・バターマン・・・

こんなダメ中年とタッグを組むのが
優秀すぎてロンドンから左遷されたエリート警察官ニコラス・エンジェル

話は、彼の左遷をきっかけに始まります

田舎で親の保護の元ゆるーく警察官やってたダニーと
法と正義を信じ、片っ端から村人を検挙する仕事人間ニコラス
この、対照的で
不器用なまま中年になった2人が
イギリスいち平和な村で起こすミラクル

登場人物は全て村の住人たち

よそ者のニコラスにもとても愛想のいいお年寄りたち
それと反対に、皮肉屋で嫌みしか言わない派出所の刑事たち
のんきすぎる派出所の署長(ダニーの父)
そして怪しげな微笑みを浮かべる地元スーパーの経営者・・・・

そして事件は起こる!


後半、
エドガー・ライトらしく
本編はだんだん容赦ないスリラーな展開になっていくけれど

「残虐さと笑いはコインの表裏なのか!?」
と思わせる天才的なセンスで
最後まではずさないエキサイティングな120分!

とにかく
色んな要素があって楽しめるコメディです
私はこの映画で血が吹き飛ぶことの楽しみを知りました!



2012年7月1日日曜日

『日曜日の人々』


   "People On Sunday" 

1930年製作のドイツのサイレント映画
独題は"Menschen am Sonntag".
監督Robert Siodmak
Edgar G. Ulmer
脚本Billy Wilder.

ベルリンのとある土曜日。
一組の男女がベルリンのストリートで出逢い、
男は次の日ピクニックに行かないかと女を誘う。

ナチスが台頭し戦渦に巻き込まれる以前の、
黄金時代と呼ばれたベルリンの美しい街並と
ベルリナー達の牧歌的な休日が映されているこのフィルムは、
すべて素人の俳優を使ったといわれる低予算映画ながら
男女の微細な心理をみずみずしく描き出し
ドイツ<ヌーヴェル・ヴァーグの先駆け>
といわれる。

そんな『日曜日の人々』のエンディングはモノローグで閉じられる。

"And then on Monday...it is back to work... back to the everyday...
 back to the daily grind... Four... million... wait for... the next Sunday. The end."

さきほどまでの詩的でロマンティックな休日の風景とは一変、
街中は車と馬車が行き交い渋滞し
人々は忙しなく職場や学校へ向かう。
ベルリナーたちはいつもの日常に戻っていったのだ。

1927年にフリッツ・ラングによって撮られたサイレント映画
"Metropolis"でも
工業化によって機械にとって代わられた労働者たちの危機感と
人間的な生活を脅かされることへの恐怖が描かれていたけれども
この映画でも同様に、
森や海で過ごす豊かな休日と
月曜日には400万人のベルリナーたちが同じように働き
同じように次の週末を心待ちにしている・・・
そんな都市生活につきものの厭世観が、
フィルムのほとんど全てを使って描かれた休日の風景との対比によって
同時に示唆されている

とにもかくあれ
この映画は美しい。
天気のいい一人きりの日曜日の午後、
涼しくもロマンティックな気分に浸りたいときにおすすめです。


2012年2月19日日曜日

『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』


『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』

“バック・トゥ・ザ・エイティーズ”って
どうやっても面白いからそろそろ禁止ネタじゃない?

アル中で何をやってもうまくいかないルー、
結婚の為に歌手の夢を諦めたニック。
同姓中の恋人に出て行かれたアダムと
その甥で引きこもりオタクのジェイコブ。

どうやってもいけてない4人組が
 ルーの自殺未遂をきっかけに
かつての思い出のスキーリゾート地に出かける。

久々の仲間同士の旅行にはめをはずし
風呂の中で酒(+”チェルノブリイ”)を飲みまくる4人。
 次の朝、目を覚ますと
1986年にタイムスリップしていた・・・・・・。

中年になりどんづまりの日々を送る男たちが
かの思い出の地で最高に楽しんだ20年前を語り合う・・・
そのシチュエーション自体がぐっとくることこの上ないじゃないか

あのとき夢を追い続けていれば・・・とか
あんな素敵な女の子となんで別れたのか・・・その子のあだ名は確か・・・とか
あの時代楽しんだ××××今やもう・・・とか
人生の最も楽しかった時期を過ごした友達同士の内輪ネタやジョークが
どれほどアホらしく、かつ愛おしいものか!

今思うと恥ずかしい過去を共有している共犯感覚と
他人がそのジョークを聞いても面白さを全く理解することはできないだろう、同じ時・場所を過ごした仲間内だけの優越感。
さらに言うと、男だけだから共有できる、笑いと馬鹿の紙一重さ!
うらやましくって最高だ!

『キック・アス』にも出てたジェイコブ役の
クラーク・デュークがまたもやいい仕事をしている!





2012年1月26日木曜日

"OH ! WHAT A LOVELY WAR"

"Oh! What A Lovely War"

超ブラックユーモアに溢れた戦争映画なんですけど
その後の第二次世界大戦より
ある意味血なまぐさく、泥くさく
人間の数とは思えない、死傷者数
地獄の塹壕戦、毒ガス、欧州関係の混みあった色々があった
そんなWorld War Ⅰを
イギリス人が舞台劇風に歌と踊りを交えて描きました

戦争の虚無感とか馬鹿らしさは
どう描こうと勝手なので
ラストの草原に立てられた無数の十字架と
一人の青年が、そこですでに待っていた男兄弟のもとへ辿りつく場面以外では
ただ歌い、踊り、茶化しました
第一次大戦の引き金になった、サラエボでのオーストリア皇太子夫妻殺害までの
欧州各国の覇権争いの諸事情は、マスゲームのように劇風に見せられて笑えますし
遊園地では
メリーゴーランドに乗ったフランス軍兵士たちと、フランス娘たちが
『巴里のアメリカ人』みたいなテンションでひとしきりミュージカルしたあと
馬から落ちて、
人形劇という現実に覚めます

ただ最後ら辺になってくると
「笑っちゃうくらい馬鹿らしくて悲劇的な出来事だったので喜劇にしました」ってノリで
それに合わせてこっちもその気分で観ていたのが
感情の大逆転を起こします
さすがです
製作された69年当時のぼやぼやしたCGが
逆に下手だったことでうまいことになっている感じとか
 とにかく面白い映画でした

2011年12月24日土曜日

『スコット・ピルグリム』とキーラン・カルキン




『キック・アス』に私が期待していていたのはコレだったろうなーと。

町山智浩さんのポッドキャストから得た情報では、監督のエドガー・ライトは、タランティーノの家に居候してた筋金入りのオタクだし、原作コミックは、英語版『サルまん』に触発されて描かれたカナディアン・コミック。
80-90年代のゲームネタが分かる人にはさらに面白い映画なんだろうな。うらやましい。

個人的に好きだったのは、主人公スコットのゲイの友人を演じたキーラン・カルキンと、襲ってくる元カレ一号のインド系青年のコミカルな身体能力。
特にキーラン・カルキンに関しては、あえてギークな雰囲気の俳優ばかり選ばれている中で、彼の「元はいいのに頽廃してる」オーラは必要不可欠だったと思う。




 左キーランで右マコーレー。
金髪碧眼、子役時代は超がつくほどの大スターだった兄に対して
『ホーム・アローン』では兄のいとこ役で登場したキーランは、ブルネットでダークな雰囲気。
まさに陰と陽。
その後ダークサイドに堕ちたのは兄の方だったけど、生まれつきアンダーグラウンドな雰囲気を醸し出しているキーランの、人より20年は早く老成してしまったようなどろんとした眼つきや、どの筋の者か分からない妖しげな色気は、マコーレーより上手。


幼きキーラン。
美少年ー
あ、そうかこの雰囲気は今は亡きブラッド・レンフロに似てるんだ。