2012年7月1日日曜日

『日曜日の人々』


   "People On Sunday" 

1930年製作のドイツのサイレント映画
独題は"Menschen am Sonntag".
監督Robert Siodmak
Edgar G. Ulmer
脚本Billy Wilder.

ベルリンのとある土曜日。
一組の男女がベルリンのストリートで出逢い、
男は次の日ピクニックに行かないかと女を誘う。

ナチスが台頭し戦渦に巻き込まれる以前の、
黄金時代と呼ばれたベルリンの美しい街並と
ベルリナー達の牧歌的な休日が映されているこのフィルムは、
すべて素人の俳優を使ったといわれる低予算映画ながら
男女の微細な心理をみずみずしく描き出し
ドイツ<ヌーヴェル・ヴァーグの先駆け>
といわれる。

そんな『日曜日の人々』のエンディングはモノローグで閉じられる。

"And then on Monday...it is back to work... back to the everyday...
 back to the daily grind... Four... million... wait for... the next Sunday. The end."

さきほどまでの詩的でロマンティックな休日の風景とは一変、
街中は車と馬車が行き交い渋滞し
人々は忙しなく職場や学校へ向かう。
ベルリナーたちはいつもの日常に戻っていったのだ。

1927年にフリッツ・ラングによって撮られたサイレント映画
"Metropolis"でも
工業化によって機械にとって代わられた労働者たちの危機感と
人間的な生活を脅かされることへの恐怖が描かれていたけれども
この映画でも同様に、
森や海で過ごす豊かな休日と
月曜日には400万人のベルリナーたちが同じように働き
同じように次の週末を心待ちにしている・・・
そんな都市生活につきものの厭世観が、
フィルムのほとんど全てを使って描かれた休日の風景との対比によって
同時に示唆されている

とにもかくあれ
この映画は美しい。
天気のいい一人きりの日曜日の午後、
涼しくもロマンティックな気分に浸りたいときにおすすめです。


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