2012年5月8日火曜日

タイムトラベルを肴に


タイムマシンに乗れない時代だからね
嘘みたいな話


はるか昔に死んでいった人の人生に思いを馳せるのって
悪趣味なんだろか、

私は昔も今も
会ったこともない
はるか昔の白黒写真に写った人々の事を想う「趣味」がある
彼らの持ち物から彼らの一番大事なものを、
彼らの人生を想像するのは
ある種のタイムトラベル、
鎮魂
私にとっての「世界」観

そんなものだから
ジェラルディン・ブルックスの本は
ここ数年で一番読み返した


ユダヤ教の「過越しの祭り」で使われる書“ハガター”の、
世界最古と言われる”サラエボ・ハガター”行方知らずとなった500年前から
現在までの来歴を物語にした歴史ミステリー。
書に刻まれた修復の跡、ワインの染み、使い込まれた羊皮紙、
挟み込まれた蝶の羽の一部から
古書が巡ってきた土地と年代を突き止め
書に関わったあらゆる時代の人々の人間模様が語り出される

ジェラルディン・ブルックスの小説には
必ず印象的な生死の匂いがある
人が生きるか死ぬかの中で漂うにおい
血、ワイン、吐瀉物、汗、人間、寒さ、埃・・・
それは人間そのもので
匂いがあることはそこに人間が生きてきたということ

私は
生きていた人が理不尽に、急に死ぬ。
ということを
いまだに許せないので
死んだ人の生きていた時間に興味があるのかも

そういえば『ハンター×ハンター』のキメラ=アント編でも
印象的なフレーズがあったな
「・・・たとえばここに来る途中余は子供を殺した
あの子供ももしかしたら
ある分野で余を凌駕する才を目覚めさせていたかも知れぬ
その芽を・・・
余はたいした意味もなく抓んだ」

地球上に
昔から今まで
いったいどれだけの人間がいて
どれだけの活動を、どれだけの人間模様を繰り広げているかって想像したら
気が遠くなると同時に途方もないうらやましさも感じるよ







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